人生に効く丸山健二の本・4選
人生に効く丸山健二の本・4選
弱気になっているとき、落ち込んでいるときに、丸山健二のエッセイに綴られた言葉に助けられることがあります。
いい加減で不真面目な生き方をしているときに、丸山健二の言葉に触れると、己の未熟さを恥じ入ることがあります。
私の本棚にある丸山健二の本のうち、個人的に好きなエッセイを紹介します。
著者紹介:丸山健二
1943年生まれ。1966年「夏の流れ」で文学界新人賞、芥川賞を受賞。23歳での芥川賞受賞は当時の最年少記録であった。その最年少記録は2003年の綿谷りさ氏の受賞まで続いた。
①:『生きるなんて』
朝日新聞社, 2005年
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この本は何度か読んでいますが、そのたびに、自身の生き方を考えさせられます。
生き方を語る平易で無駄のない著者の言葉は、ストレートに私に届きます。
人生を他人や組織に支配されず、自立して生きていくことを、なかなか実践できない私の弱さを、いつも本書から指摘されている気がします。。
文章は平易です。落ち着いた文体の奥に潜む丸山健二の熱いメッセージは、人生の壁に直面した方や、過去にそういった経験をして挫折した方の心に響く内容があると思います。(個人的には中学生の息子にも読んでもらいたい内容です)
引用
楽な方へ、より楽な方へと向かう道の行き着く先はどこでしょうか。
何ひとつ努力せず、ただの一度も単身で闘おうとせず、現実とは最小限の接点しか持ちたがらない、そんな後ろ向きな人生に、果たしてどんな意味があるというのでしょうか。
(中略)
宝の山である潜在能力をまったく引き出そうとせず、それどころか目もくれず、抜け目のない他者によって次から次へと眼前に差し出される高価な玩具に没頭し、安価なイメージと戯れ、時間を空費するばかりの道を、一体どこまで、何歳になるまで、歩むことができると考えているのでしょうか。
何ひとつ努力せず、ただの一度も単身で闘おうとせず、現実とは最小限の接点しか持ちたがらない、そんな後ろ向きな人生に、果たしてどんな意味があるというのでしょうか。
(中略)
宝の山である潜在能力をまったく引き出そうとせず、それどころか目もくれず、抜け目のない他者によって次から次へと眼前に差し出される高価な玩具に没頭し、安価なイメージと戯れ、時間を空費するばかりの道を、一体どこまで、何歳になるまで、歩むことができると考えているのでしょうか。
②:『人生なんてくそくらえ』
朝日新聞社, 2012年
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丸山健二の写真も楽しめる本書。たまに写真を見たくて本書を開くことがあります。
写真の切り口も興味深く、写真に添えられた文とあわせて、とても味わい深い内容です。もう少し丸山健二の写真を見たい気持ちにさせてくれる本書もオススメです。
引用
一見、この世に生きる意味がないように思えるのは、そんな確固たる意味が存在したならば、その意味の奴隷になってしまうからで、押しつけられた意味がないからこそ自由な意志のもとに独自の意味をおのれの人生にもたらすことができるとは考えないのか。
③:『生きることは闘うことだ』
朝日新書, 2017年
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毎日仕事をしていて思います。なぜこんなに大きなストレスを抱え、精神をすり減らして日々を過ごさねばならないのかと。
何かをうまく対応すれば、そういった生活とは無縁の世界に安住できるのではないかと夢想してしまうことさえあります。
世の中には簡単に稼げるような甘い話に騙されてしまう方もいますが、個人的にはそういった方の気持ちも分かるような気もします。
でも当然ですが、そんなに人生は甘いものではありません。生きることは闘うこと。生命を燃やし尽くすべく、日々邁進せねば。
引用
この世に生きているうちは、けっして癒しや安らぎのたぐいを求めてはならない。なぜとならば、そうした油断を絶対に許してくれないのが、この残酷な世の絶対的な掟であるからだ。
そしてまた、緊張の連続のなかにこそ生命の真の喜びが秘められているからでもある。生き抜くこととは闘い抜くことだ。
④:『メッセージ 告白的青春論』
角川文庫, 1985年
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絶版本です。入手困難な本ですが、私は古本屋で奇跡的に発見しました。
本書は告白的青春論とあるとおり、丸山健二が学生時代、会社員時代をどのような考えをもって過ごしていたかが綴られています。若さも手伝って、熱量のすごい内容です。私も本書を20歳過ぎに読みましたが、当時大きな刺激を受けた記憶があります。
引用
落ちこぼれという意識などまるでなかった。そんなレッテルは学校側が貼ることで、おれが自分で貼ることはなかった。
学校側の期待した生徒になれなかったからといって、おれの人生のすべてが駄目になったなんて思うのは間違っている。自分のレッテルは自分で貼ればいいのだから。
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